幸せ親子になれる

0歳からのアドラー流怒らない子育て

三宅美絵子(著)・岩井俊憲(監修)

(最終更新日:2017/03/31)



キーワード

#子育て #共感 #尊敬 #信頼 #勇気づけ #褒める #叱る #内発的動機づけ #外発的動機づけ #活力 #横の関係 #縦の関係 #失敗 #再チャレンジ #協力 #課題の分離 #注目 #適切な行動 #不適切な行動 #ヨイ出し #ダメ出し  #楽しい #笑顔 #完璧 #怒り #愛 #私メッセージ  #一次感情 #二次感情 #感謝 #あたりまえ #ありがとう #アドラー心理学 #目的論 #原因論 #対人関係論 #ベビーサイン


 とにかく気持ちがぽかぽかして、カラダの芯からあたたかくなり、思わず優しい笑顔になれる一冊です。行間もたっぷりあり、フォントも丸みがあって優しい雰囲気にまとまっています。

 子育て中のお母さん(お父さん)への、著者のやわらかい「共感」姿勢がとても印象的で、まるでとなりに寄り添い、「大丈夫だよ」と、優しく声をかけてもらえているような距離感の言葉たちが綴られています。

 読み進めていくなかで、「・・・でも、こういう時はどうしたらいいの?」と、なんとなく違和感を感じてきたタイミングでそのことについて触れてもらえるので、モヤモヤとした感覚がたまらず、どんどんと読み進めていけます。
 日々遭遇するイライラしやすい場面を挙げ、その時にお母さん(お父さん)が大切にしたいと思っていた「そもそもの想い(目的)」に、無理なく注目をうつして頭を切り替えてもらえるので、「あたりまえのこと」として日常に埋もれていきがちな、そのお母さん(お父さん)の想いを再確認する大切さを、実感させてもらえます。

 また、子どもにまっすぐ届く言葉の発し方についてや、いちばん難しいであろう「子どものそばにいながら、手や口を出しすぎないお母さん(お父さん)でいる」ための知識と心の持ちかたについても学ぶことができ、「この時に、こんな方法・考えかたがあったのか⁉︎」と感じさせてもらえる瞬間を幾度となく味わえるのではないかと思います。

「子育てに関する、いろんな情報をツギハギしながらまとめた自分なりの考え」を頼りにした子育てや、その場その場で思いつく「個人的な考え」に頼りっきりの子育てをしていて、「これでいいのかなぁ〜」などと不安を感じているお母さん(お父さん)にとっては、本書に書かれている「理論的背景があり、一貫した理念にもとづく主張」を知ることで、精神的なひとつの軸ができる、というメリットもあると思います。
 子育てに関する情報がたくさん溢れている状況のなかで、お母さん(お父さん)自身が自分の行動に自信をもてることほど、大切なものはないですからね。
 たいせつな我が子の子育て方針を、パートナーや友人、親族などへ説明する必要に迫られた際や、その方針を共有し、協力できる環境を整えたいと思った時に、この本から得られる言葉を身につけておけるといいのかもしれませんね。


 子育て中に「困ったな〜」と感じたときや、余裕がなくて気持ちがざわざわそわそわしているなと感じるときに、何度でも戻ってきて確認したくなる、戻ってきても大丈夫だと思わせてもらえる一冊だと思います。